店舗内装工事を行った際の工事費や購入した設備機器は固定資産となります。確定申告をでは、高額な固定資産は、購入した年に全額を経費として計上できないルールがあります。そのため、高額な固定資産の費用を耐用年数で分けて、毎年の経費として計上していくことを減価償却といいます。たとえば、パソコンは、耐用年数が4年で、20万円で購入した場合、減価償却費は、1年で5万円の経費計上となります。冷房(エアコン)や冷蔵庫などは、耐用年数が6年となります。ここでは、確定申告に必要な店舗内装工事にかかる費用と減価償却の仕組みを理解し、節税方法を知っておきましょう。
内装工事費の減価償却が節税に繋がる理由とは?
店舗開業初年度は売り上げが少なく、初期費用がかかり、赤字になるケースが少なくありません。赤字の場合は、所得が無いために内装工事費や設備購入費を経費計上しても節税になりません。つまり、所得が少ない場合や、赤字の時に購入費を経費計上するより、翌年以降に分けて経費計上する方が節税ができます。※青色申告で赤字の場合、繰越損失として、次年度以降に赤字分を経費計上できます。
次年度以降で黒字の場合、減価償却費を計上することで控除額が増えます。つまり、課税額が少なくなり、節税ができるようになります。
また、店舗開業資金は任意償却と言い、下記2通りの方法で経費計上することができます。
- 5年間で均等に償却する方法
- 5年以内に一括して償却する方法
そのため、利益がない店舗開業年度は負債として残しておき、売上が上がった年に償却することで節税対策となります。
内装工事費の減価償却の対象となるものとは?
減価償却の対象は、店舗内装工事や設備の種類、法人、個人の要件により決まっています。たとえば、個人事業主で青色申告者は、購入費用が30万円未満の場合は購入した年に全額経費計上できます。
また、白色申告者や従業員が1,000人以上の青色申告の事業主は10万円以上20万円未満なら3年で減価償却します。20万円以上の内装工事費や器具・備品は耐用年数に応じて、減価償却しなければいけません。
減価償却をするための店舗内装工事は仕訳をすること
店舗内装工事で給排水、衛生設備、ガス設備工事の減価償却は15年で行います。冷暖房の内装工事は13年、防災設備も8年となります。したがって減価償却は長期間で経費計上するために、固定資産台帳で管理する必要があります。会計ソフトなどを使うと簡単に管理することができます。
※詳しくは『店舗内装の工事・設備の耐用年数とは?』で耐用年数を確認ください。
また、内装工事をまとめて減価償却するより、工事ごとに分けて管理する方が分かりやすくなります。そのため、内装工事後の経理処理で、減価償却の仕訳を行いましょう。
建物に対して直接行う内装工事は以下になり、『建物』という勘定科目で計上
- 木工工事
- ガラス工事
- 防水工事
建物の付帯設備の工事は以下になり、『建物附属設備』という勘定科目で計上
- 電気設備工事
- 給排水工事
- 空調設備工事
- 防災設備
節税できる店舗内装工事の減価償却はしっかりと管理しましょう
店舗開業する上で、経理は非常に大切であり、売上と税金は切り離せません。そのため、店舗開業時に一番費用がかかる店舗内装工事費の減価償却方法が、経理上で粗利を作るための重要なものになっています。そこで、減価償却の仕組みを理解し、節税できる経理処理を行いましょう。減価償却の計算が分からない、経理が苦手という方は、税理士さんや経理のプロに相談することをおすすめします。
店舗内装にかかる財務・会計・経理について
店舗内装工事の財務・会計・経理の参考情報、下記のページに書いてあります。 クリックして、お読みください。